SPONSORED LINKS

113番元素のニホニウムについて
今回管理者は科学者ではありませんので
大変失礼とは存じますが
今回の記事の内容は

RIKEN社

Nishina Center for Accelerator-Based Science
記事を参考にして掲載しました。

いずれにしても、113番元素を発見された事に敬意を
表します。

記者会見の様子の動画

113番元素発見の意味するもの

元素周期表

理化学研究所RIビームファクトリーで生成された
113番元素が国際的に新元素として認定されました。

元素周期表に日本人の手で新たな元素が
加わったことになります。

かつて、新しい元素の発見は新しい物質科学の始まりを意味し、

新物質はさまざまに利用され、
人々の生活を豊かにしてきました。

今回発見された113番元素は10年近い年月をかけ、

困難な中3原子を合成・発見しました。

また寿命も約1000分の2秒とみじかく、

瞬く間にほかの元素へと壊変してゆきます。

新元素は現在のところ、

人々の生活に直接かかわることはないと考えられます。

しかし元素は世界の構成要素であり、

これを探求することは、
人類に化学の基礎を与え、
原子核の安定性についてより深い理解を与えます。
物質の存在にかかわる基礎研究の深化は、
未来の科学、
ひいては科学技術と社会の発展に大きな
貢献をすることは間違いありません。

「イラスト図解 元素」監修羽場宏光(日東書院)

元素は「見つける」から「作る」へ

「万物は、その根源をなす不可欠な究極的要素からなる」
*(広辞苑 第五版)という考えは古代からの自然観であり、
その究極的要素の探究は科学の起源の一つです。
そしてこの「究極的要素」を元素と呼びました。
その元素が「それ以上分けることができない物質」として
定義されたのは18世紀になってからです。
実はその時点までに炭素、金、硫黄、鉄など10種類以上の
元素は既に知られていました。
19世紀になると「物質を構成する最小の粒子」を
原子とする概念が広く支持されるようになり、
元素の物質的正体は原子とされ、
元素は「原子の化学的性質を表す概念」
または「同じ陽子数を持つ原子の総称」となりました。
なお、現在では、
原子よりさらに小さい素粒子が
「物質を構成する最小の粒子」であることが
明らかになっています。

<かって日本でも元素を発見、そして命名した!?
今回、新元素への命名権を日本で初めて得ましたが、
実は命名したのは初めてではありません。
それは小川正孝(1865-1930)による
ニッポニウムの研究です。
1908年、小川は原子量が約100の43番元素を精製
・分離したと主張し、ニッポニウムとして発表しました。

しかし他の誰も結果を再現できず、
その信頼性は揺らいでいきます。

それから29年後の1937年、
エミリオ・セグレが米国の加速器を使って
43番元素を作り出しました。
ニッポニウムは幻となり、
43番元素は1947年にテクネチウム(Tc)と
命名されたのです。

実はこのテクネチウムに安定元素は存在せず、
小川の方法では見つかるはずがなかったのです。

では小川は全く間違っていたのでしょうか?

小川の死後、研究資料を詳しく調べると、
精製・分離したその物質はテクネチウムと
化学的性質が似ている周期表直下の元素、
レニウム(Re 原子番号75、
1925年に独のワルター・ノダックらが発見)であることが
判明しました。

小川が1908年に新元素を見つけていたのは事実だったのです。
※出典・梶雅範, 吉原賢二, “小川正孝─新元素「ニッポニウム」の発見者” サイエンスネット No.19 pp. 2-5 (2003)

マクミランらが93番元素(ネプツニウム)を
発見した1940年には、

仁科芳雄(1890-1951)が加速器を用いウラン238から中性子を
一つ叩き出す実験を行っています。

生成されたウラン237のβ崩壊を観測しましたから、
ウランより陽子が一つ多い93番元素が間違いなく
生成されていたはずです。

残念ながら新元素の化学分離が出来ず、
新元素発見には至らなかったのです。

一方マクミランらはウラン238に中性子を
1つくっつける実験を行いました。

作られるウラン239はやはりβ崩壊し93番元素を生成します。

彼らはこの新元素の化学分離に成功し、
世界初の超ウラン元素を発見したのです。

彼らはこの新元素の化学分離に成功し
ネプツニウムと命名しました。

SPONSORED LINKS

マクミランはこの発見の功績により1951年に
ノーベル化学賞を受賞しています。
※出典
・梶雅範, 吉原賢二, “小川正孝─新元素「ニッポニウム」の発見者” サイエンスネット No.19 pp. 2-5 (2003)
・池田 長生 “ウラン-237 と対称核分裂の発見” 仁科芳雄博士生誕120周年記念講演会講演録 P.40 仁科記念財団冊子NKZ-52 (2011.3)

命名権はどのよういして得られるの?

さて、元素の名前はどのように決まるのでしょうか。
まずは研究グループが新元素発見を主張する論文を発表。
その後、「国際純正・応用化学連合
(IUPAC:International Union of Pure and Applied Chemistry)」と
「国際純粋・応用物理学連合
(IUPAP:International Union of Pure and Applied Physics)」が
推薦する有識者で構成された合同作業部会
「JWP:Joint Working Party」 が
その論文の実験結果の信頼性を審議します。

JWPはその審議内容を記した報告書(論文)を
IUPACに提出、
報告書に問題がないと判断された場合、
IUPACが新元素を発見した研究グループを認定するとともに、
新元素の命名権を同グループに与えます。

「ニッポニウム」はもう使えない!?

─元素命名に関するルール
元素の命名については以下のようなIUPACの定めたルールがあります。
IUPACの命名に関するドキュメントへのリンク(PDF)
その中の “3.
CHOICE OF NAMES FOR NEW ELEMENTS” の
一部を簡単に訳すと以下の通りになります。
3.新元素の名前の選び方 伝統に従い、
元素の名前は以下のようにつける:
神話の構想または人物(天体も含む)
鉱物または類似物質
場所または地理的領域
元素の性質
科学者

ですから、社名、組織名は不可です。
つまり、「リケニウム」は不可。
また、以下のような補足があります。

正式でなくとも一度付けられた名前は
混乱を避けるため使う事は出来ない。

従って、かつて43番元素に対して
一旦付けられた「ニッポニウム」は使えません。

そして、あともう一つ、
末尾に「-ium」と付ける。
参考:“元素学たん”のTwitterより

113番元素はどのようにして発見されたのか?

113番元素はどのようにして発見されたのかの画像

113番元素の合成

113番元素の合成の原理は数字の上では単純です。
亜鉛(Zn原子番号30、陽子数30個)の原子核とビスマス
(Bi 原子番号83、陽子数83個)の
原子核を衝突させ、
融合させれば30 + 83 = 113番元素が出来上がります。

難しい所は原子核の大きさが1兆分の1cmと
余りにも小さくほとんど衝突しないこと、

たとえ衝突したとしても融合する確率が100兆分の1と
大変小さいことです。

1兆分の1cmですから、狙うことは不可能、
そこで大量の亜鉛原子核をビームにしてビスマスに当て続けました。

実験開始は2003年9月、夜に日をついで亜鉛ビームを当て続け、
翌年の2004年7月23日に、
やっと1つの113番元素が合成されたことを確認しました。

確認するには、
この新元素の陽子が113個であることを証明すれば良いのですが、
とても数えられません。

そこで新元素がα崩壊することを利用します。

α崩壊は原子核からα粒子
(= ヘリウム原子核 原子番号2)が放出される現象です。

新元素からは3秒間のうちに次々と4個のα粒子が放出され、

約40秒後には核分裂を起こしました。

この4個目のα粒子のエネルギーが既に当時知られていた

ボーリウム266(Bh 原子番号107、中性子数159) が出す

α粒子のエネルギーとほとんど同じだったのです。

これは新元素が陽子数2のα粒子を3つ放出して
ボーリウムになったということ、

つまり新元素は107 + 2 + 2 + 2 = 113番元素に
違いないということを意味します。

でも、たった一例では信頼性は高くありません。

さらに実験は続きます。
翌年2005年4月2日に2つ目を確認。
1つ目と同様の4回のα崩壊、
そして核分裂を観測しました。
でもまだ足りません。

実は核分裂をせずに6回のα崩壊を観測できれば、
これこそ決定的な証拠となるのです。
3つ目を目指して実験は続きますが、

2006年、2007年、2008年、2009年…と

なかなか新たな113番元素は合成できませんでした。
自然とはそういうものなのです。

そして2012年8月12日、
とうとう3つ目を観測。これは4個のα粒子を放出して
ドブニウムになった後も核分裂せず、

さらに2個のα粒子を放出したのです。

その上4, 5, 6個目のα粒子のエネルギーは

それぞれボーリウム266、ドブニウム262(Db 原子番号105、
中性子数157),

そしてローレンシウム258(Lr 原子番号103、中性子数155) が

出す既知のα粒子のエネルギーと同じだったのです。
もう疑う余地はありません。
113番元素の合成に間違いなく成功したのです。

SPONSORED LINKS

この記事を読まれた方はこんな記事も読んでいます!